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職員インタビュー

第十七回「母親に出来なかった事を…」

蔵の町・川越 入所介護職員 Nさん
          (聴き手:事務 川村)

―蔵の町・川越は開設14年と半年位ですが、Nさんは何年目位ですか?

(Nさん:以下「N:」)11年目ですかね。

―介護の仕事は、ここに入職して初めてですか?

N:はい。

母親に出来なかった事を…

―介護の仕事をしてみようと思ったきっかけは?

Nさん
去年の納涼祭の様子(手前左)
N:小学校の頃、知的障害の男の子がいて、6年間ずっと同じクラスや同じ班だったのですが、グループのみんなでその子のお家に行き、一緒に遊んだり宿題やったりという事がありました。
 私、髪の毛が長かったんですね。その子は髪の毛を触りに(ちょっかいを出しに)来ることが多くて、多分遊びたかったんだろうなーと思うんですけど、私はどうやって遊んでいいかわからなかったので、みんなと一緒に遊んでいました。
 それでちょっと興味を持って、高校を受験するときに福祉の方に行こうかなと親には相談したんですけど、「大変だからやめなさい」と言われました。その時はそんな時代だったという事もあったのですけど。
 この仕事を始める前は専業主婦だったんですけど、バブル崩壊して働きましょうという事になって、求人広告を見ていたらあって、家から近いしお友達もいたから。

N:あと、母親が割と早めに亡くなったので、母親に出来なかった事を、出来たら近い世代の方にやってあげたいなって思ったのが、理由ですね。

―ちょっと心残りだったんですね。

N:ええ。そうですね。

―それで、11年も続いていますから、合っていたのでしょうね。

N:そうですね…この仕事が嫌で辞めようと思った事は無いです。一度「辞めたい」と言いに行った事はあるんですけど、それはリーダーになって色々仕事が多くなって大変になってきちゃったからで、出来ればヒラに戻って普通に利用者さんに介護をしていきたいな、というのはいつも思っています。今は中々そんな事も出来ないですけど。

―食事介助、入浴介助、排泄介助など色々ありますけど、どれが大変・得意とかありますか?

N:得意とかいうのではないですけど、排泄介助が好きだし、食事介助も好きです。入浴介助は、嫌いではないですけど、体力が中々続かないので、ちょっと大変かなって。排泄と食介は自信をもって人に教えられます。

―僕も以前6階で食介のお手伝いをした事があるんですけど、6階の方は難しいですね。Aさん等は口の中には入るのですけど、飲み込んでくれなかったり…

N:そうですね。以前は息子さんが定期的に食介しに来て下さったりして、その時に様子を見たり、「どんな感じですか?」「今日は口が開いてよく食べているんです」という話を聞いて、こういう風にやるといいのかな、とか。

―今は新型コロナの影響でご家族様と面会は出来ないですけど、利用者さんに変化は見られますか?

N:Bさんが、今までは1ヵ月に1回お孫さん連れて外食していましたが、それが無くなって、夕方になって感情の起伏が激しくなる時があります。
 あとはCさんも、たまに娘さん達と過ごされる事があったので、それが無くなった途端に排泄が乱れたり、寝る時間が最近短くて、2~3時間寝たら起きる事を繰り返して午前中に傾眠したり…今までは定期的に刺激がありましたが、今は自分のお部屋やトイレが分からなくなったりという所があるので、ちょっと心配です。
 ただ最近は、Bさんは他の利用者さんに「どこに住んでるの?」と笑顔で話しかけたりすることもあります。

―6階内での利用者さん同士のコミュニケーションが出来てきている…

N:ええ、そうですね。ちょっとずつ変わりつつあります。

―Dさんも(3階から)来て…

N:そうですね。Dさんが来て、Eさんが、それまで他の利用者さんとお話しをしなかったんですけど、同じ食席で食べていらっしゃって、割と話しかけたりするようになって、お互いに話したりしています。

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人間って凄いんだなと思って

―色々な委員会(例えば排泄・褥瘡対策委員会や苦情処理委員会など)があると思いますが、一通り参加されたりしていますか?

N:感染症対策委員会はやっていないかな。ケアプラン委員会もやっていないけど、担当がいない時に代わりに出たりするので、ちょっとだけ携わっています。

―今はプリセプター(委員長)ですけど、具体的にプリセプターってどういう内容ですか?

Nさん
食事介助の様子
N:新人に中堅職員(プリセプター)をつけて、中堅が新人を育てながら、自分を振り返り、一緒に育っていこうという感じです。プリセプターはリーダーよりちょっと年数の少ない方がやりますけど、やっぱりある程度の年数をやっていないと教えられないです。
 また、新人にどうやって仕事に向かわせていくのかをプリセプターに教えて、それを新人にまで持って行くというのを考えたりします。私もそうですが、プリセプターもなかなか上手に説明出来ない方もいて、新人に上手く伝わらないケースもあります。
 プリセプターだけが育てる訳でもないし、リーダーだけが育てる訳でもないので、「フロア全体で育ててね」というのは、(委員長になってからは)皆さんに言うようにしているんです。

―Nさんがリーダーになったのはいつ頃ですか?

N:私、2階→5階→3階→6階で、大体どこの階も2年前後位で異動していたんですけど、リーダーになったのは5階に移った時です。
 えーって思いました。とてもそんな人の上に立つような仕事ぶりではなかったです。まとめるのも苦手ですし、誰も認めてくれないんですけど、私人見知りなんですよ。(笑)でもこの仕事って、人見知りしていたら仕事にならないじゃないですか。なので、お仕事の時には振り絞って頑張って、外に出たり家に帰るとしゃべらなかったりとか。
 利用者さん目上の方だから、こっちから話しかけると優しく反応して応えてくれるので、その分しゃべりやすかったです。2階の利用者さんは顔とか性格とかも覚えてくれるし、「あの時は良かったわね」とか「こうした方が良いんじゃない」とか利用者さんが言ってくれるので、刺激になりました。一番最初に2階に行って、ショートステイの入退所とかあって仕事を覚えるのが大変でしたけど、最初に2階で良かったと思いました。

―(ある意味)利用者さんに、仕事を教わった。

N:ええ。当時は5階が一番大変と言われていた時期に異動になったので「大丈夫なのかな私」と思って。(階ごとに)世界が違うので。5階は認知度が高い方もいらっしゃるので、暴れちゃったりする方がいたりとか。でも分かったうえで仕事をしていましたけど。でもやっぱり全然違うなって思いました。色々な介護の仕方があるんだなって思いました。

―5階は介護度の高い方が多い。

N:皆さんちょっとずつ体が悪くなったり、しゃべれなくなったり、ご飯が自分で食べられなくなったり、長い事見てきて、元気な頃を覚えているので、もうちょっとご飯を食べて欲しいとか、本当はもっとリハビリとかやらなくちゃなんだけど、なかなか手が回らないので、トイレの時は面倒でも立って貰って、時間をかけてゆっくりしたりとか。
 (話は変わりますが)Fさんは、以前は全介助で機械浴だったのね。

―そうだったんですか…

N:6階に行ったらFさん立てることを発見して、トイレでつかまり立ちが出来る、ってなって、じゃあちょっとずつやれば歩けるんじゃないかって、最初歩けなかったんですけど、つかまり立ちから始まり、短い距離から…食席からトイレまでとか、ちょっとずつちょっとずつ歩行介助をやっていったら、一人で歩けるようになったんですね。

―それは凄いですね。

N:ちょっと転んじゃったこともあるんですけど、最初見た時に歩けなかった方が歩けるようになって、人間って凄いんだなと思って。Fさんのそれがあるから、他の方にももうちょっと頑張ってやって貰えればというのはあるのかもしれないです。

―では最後に、コロナについて。介護をしていたらどうしても利用者さんと距離が近くなってしまうと思うんですけど、普段コロナで気を付けている事は。

N:この施設ではコロナは出ていないですけど、行き帰りや買い物にも行く事もあるので、家に帰ったらまず手を洗ってうがいしてとか、全部着替えてとか。6階は耳の遠い方が多いので、必ずマスクをしたりとか。特にこまめに手は洗います。

―職員が感染したら、広まっちゃいますからね。
 今日は貴重なお話をありがとうございました。

N:いえいえ、とんでもない(笑)

…第十七回おわり(このインタビューは令和2年7月28日に行いました。)

第十八回もご期待下さい!

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